フランス植民地時代の建物
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フランス植民地時代の建物



もしアナタが“歴史好き”だったなら、カンボジアの街をぶらぶらをしながら、植民地時代の建築探しをしてみてはどうだろうか?

上の写真は首都プノンペンのカンボジアポストの近くにある建物。 ご覧のように相当年季が入っているが、ベランダやテラスがあるザ洋館といった雰囲気。 大使館や行政機関など古くから賑わっていた地区の周辺では、こういったレトロ建築に高い確率で遭遇できる。


 19世紀後半から20世紀前半にかけて、ベトナム、ラオス、カンボジアの3国は約67年ほどフランスの植民地だった。日本が経験した明治維新と同様に、かつて『仏領インドシナ』と呼ばれた時代にヨーロッパから様々なものが伝来したのだ。


 例えば『パン食』の文化。

これは最も庶民レベルまで落とし込まれた、フランス文化のひとつと言える。我々日本人が「フランスパン」と呼んでいるあの細長いパンは、カンボジアの片田舎に行っても売られていて、フツーに国民食として定着している。 ベトナム料理の「バインミー」が日本ではお馴染みだが、フランスパンの中に具材を入れる式のサンドイッチは、カンボジアやラオスでもポピュラーなものとなっている。


 また、フランス時代の痕跡として『野良犬』にも触れておきたい。 カンボジアでよく目にする野良犬は、体毛が短く耳がツンと尖がっていて、日本の犬に近いタイプなのだが、たまに体毛の長いテリア犬のような雑種犬を目にすることがある。 他にも短足&胴長タイプの犬など、アジア原産の犬ではなさそうな野良犬は、おそらく昔フランス人のペットとしてやってきた、ヨーロッパ系ワンコの子孫かなと個人的に思っている。

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 さらには、『道/街づくり』についても言及をしよう。 まずこのキレイに区画整理されてたプノンペンの街を見てもらいたい。

街が碁盤の目のようにピシッっと区画整理され、道路が縦横に張り巡らされている。 東南アジアで唯一植民地にならなかった隣国のタイと比べるとその差は歴然で、袋小路や行き止まりが多いがために渋滞が起こりやすいバンコクに比べて、プノンペンは風通しの良い交通網となっている。 (とは言え、昨今のプノンペンの人口と車両の増加で、渋滞解消は喫緊の課題でもある)  世界史の中で起こった【植民地支配】という時代は、決して褒められた内容のものではない。しかしフランスがこの地に残した数々のモノの中には、負の遺産ばかりでなく、レガシー(正の遺産)と呼べるモノも多くある。

旅先の―― カンボジアの歴史をひも解く上で、今日紹介したようなフランス由来の数々が、あなたの歴史旅行の入口となってくれるのではないかと思う。

という事で、最後にプノンペンの街に残る植民地時代の建築物をご覧に入れたい。

『なんでも鑑定団』ではないが、激動の時代を生き延びて来た建物たちを、骨董品でも愛でるかのように鑑賞していただきたい。

「ロミオとジュリエット」的なバルコニー


夜は絶対来たくない廃墟感

オバケは写っていない(たぶん)

建物の内部はレンガ

元ホテルか、、元デパートか、、?

普通の商店と思いきや、上を見上げるとカッコイイ塔




今回はプノンペンに残る建物を紹介したが、アンコールワット遺跡のあるシェムリアップの街にも同様の建物を見ることができる。オールドマーケット近辺を散策しながら年季の入った建物探しすると、普段とちょっと違った“街ぶら”ができるかもしれない。

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